セキュリティ診断とは?今すぐ知っておきたいWebサイトのセキュリティ 【初心者向け】
- info354807
- 2 日前
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セキュリティ診断とは?企業サイトに必要な理由とは
企業のWebサイトや業務システムは、年々高度化するサイバー攻撃の脅威にさらされています。不正アクセスや情報漏えいといったインシデントは、事業継続や企業価値に甚大な影響を及ぼす可能性があるため、事前のリスク把握と対策が不可欠です。
その手段として注目されているのが「セキュリティ診断」です。本記事では、セキュリティ診断の概要と導入の必要性を整理し、企業が早期に取り組むべき理由について解説します。
セキュリティ診断=リスクを早期に発見し対策を講じるためのシステムの"健康診断"
企業のWebサイトやシステムは、年々高度化するサイバー攻撃のリスクにさらされています。そんな中で注目されているのが、「セキュリティ診断」です。
これは、サイトやシステムに潜む脆弱性(セキュリティホール)を洗い出し、早期に対策するための“健康診断”のようなものです。
なぜ今、多くの企業が導入しているのか?
一昔前まで、セキュリティ対策といえば「ファイヤーウォールを設置しておけば安心」という認識が一般的でした。しかし近年では、システムの構造そのものを突く“ゼロデイ攻撃”や、“取引先経由”で侵入するサプライチェーン攻撃など、より巧妙な手口が増えています。
こうした背景から、企業規模を問わず、セキュリティ診断を導入する動きが加速しています。特に、個人情報や決済情報を扱うECサイトや、クラウドで業務システムを運用する企業は、外部からの侵入経路を徹底的に洗い出すことが急務となっています。
インシデントが起きてからでは遅い!
「セキュリティインシデント」とは、情報漏洩・不正アクセス・サービス停止など、セキュリティ上の重大な問題が発生することを指します。
一度でもインシデントが起これば、
顧客からの信頼を失う
法的責任や損害賠償リスクが発生する
業務が停止し、売上に直接的なダメージが出る
といった深刻な影響を受けかねません。
そのため、「問題が起きてから対処する」のではなく、予防のために定期的な診断を受けることが重要です。
ペネトレーションテストという“模擬攻撃”で実力を試す
特に近年注目されているのが、「ペネトレーションテスト」という手法です。 これは、実際の攻撃者になりきって、システムのどこまで侵入できるかをテストする手法で、通常の診断よりも実践的です。
例えば、
管理画面への不正アクセス
SQLインジェクションによる情報取得
クロスサイトスクリプティング(XSS)による乗っ取り
など、現実的なシナリオを想定して侵入経路を洗い出すことが可能です。
セキュリティ意識が高い企業では、このペネトレーションテストを年1回以上実施することがスタンダードになりつつあります。
ペネトレーションテストについては、後述でより詳しく解説しています。
Webサイトを狙う攻撃の手口とは?代表的な脅威 新10選
近年、サイバー攻撃はますます巧妙化・複雑化しており、「うちは大丈夫」と思っていた企業が突然被害に遭うケースも少なくありません。ここでは、Webサイトを運営する上で特に注意すべき10の攻撃手法を、初心者にも分かりやすく解説します。
ランサムウェア攻撃
企業のシステムやデータを暗号化し、「解除してほしければ金銭を支払え」と要求する攻撃です。中小企業でも狙われるケースが増えており、社内業務の停止や顧客情報の流出など、大きな被害を引き起こします。特にバックアップの不備や古いソフトウェアの利用が狙われやすいポイントです。
DDoS攻撃(トラフィック過多の攻撃)
大量のアクセスを一斉に送りつけてサーバーをダウンさせる攻撃です。
攻撃元が複数あるため防御が難しく、Webサイトの表示遅延やアクセス不能状態に陥ることも。特にキャンペーン時などトラフィックが集中するタイミングは要注意です。
サプライチェーン攻撃
取引先や外注先など、間接的な関係者の脆弱性を突いて本体企業に侵入する攻撃があります。自社がどれだけ対策していても、取引先のセキュリティが甘ければそこから侵入されるリスクがあります。特にクラウド連携・SaaS利用が当たり前になった今、最も厄介な攻撃の一つです。
SQLインジェクション
WebフォームやURLに悪意あるSQL文を挿入して、データベースの中身を不正に操作する攻撃です。顧客情報や注文履歴など、機密性の高い情報が抜き取られるリスクがあります。特に入力チェックを怠っているシステムが狙われやすいです。
XSS(クロスサイトスクリプティング)
Webページに悪意のあるスクリプトを埋め込み、ユーザーのブラウザ上で実行させる攻撃です。これにより、Cookieの盗難やセッション乗っ取り、フィッシングサイトへの誘導などが発生します。掲示板・検索窓・問い合わせフォームなどが主なターゲットです。
バッファオーバーフロー
メモリの容量(バッファ)を超えるデータを送り込み、システムに不正な動作を起こさせる攻撃です。古いソフトウェアやC言語系の開発環境に多く見られ、乗っ取り・情報漏洩・サービス停止などを引き起こします。
クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)
ユーザーがログインした状態で、意図しない操作をさせる攻撃です。例えば、ログイン中に偽のリンクを踏むと、勝手に注文が確定したり、パスワードが変更されたりします。セッションを悪用する手法の一つとして知られています。
パスワード解析(総当たり攻撃)
最も単純かつ今なお多いのが、総当たりでパスワードを解読する攻撃です。「123456」「password」などの脆弱なパスワードを設定しているとすぐに突破されます。パスワードの複雑化・2段階認証の導入が有効な対策です。
クッキーを狙う攻撃とSecure属性/HTTPSの重要性
ユーザー情報を保存する「Cookie」を盗むことで、セッション乗っ取りやなりすましが可能になります。この対策として重要なのが、以下の2点です。
・Secure属性の設定(HTTPS通信でのみCookieを送信)
・HTTPSの常時化(SSL/TLSを用いた暗号化通信)
特に「cookie secure属性」「cookie https」は現代のWebサイト運営には必須の設定といえるでしょう。
Webサイト経由のマルウェア感染
悪意あるファイルやスクリプトを埋め込み、訪問者の端末に感染させる攻撃です。ユーザーが知らずにマルウェアをダウンロードし、社内ネットワークにまで被害が広がるケースも。特に、管理画面の脆弱性やアップロード機能のあるサイトで発生しやすいです。
セキュリティ対策の基本【最低限やっておくべき対策】
【1】インフラ・ネットワークレイヤーの対策
HTTPS(SSL/TLS)化
エンドツーエンドでの通信を暗号化し、通信盗聴やなりすましを防止。
SEO対策としても必須の要素。
Let’s Encryptなどを活用すれば無料で導入可能。
CDNの活用
DDoS攻撃やスパイク的アクセスに対して、キャッシュやネットワーク分散でサービスを保護。
Akamai、Cloudflare、AWS CloudFrontなどが代表例。
【2】アプリケーションレイヤーの対策
WAF(Web Application Firewall)の導入
SQLインジェクション、XSS、CSRFなどアプリ層への代表的な攻撃を自動で検出・遮断。
AWS WAFやCloudflare WAF などを活用すれば、クラウド環境にも対応可能。
入力値の検証とサニタイズ
ユーザーからの入力は信用しないことが原則。
バリデーションやエスケープ処理を行い、不正なデータでアプリが誤動作しないよう防止。
ユーザー認証・認可の強化
パスワードポリシー(長さ、複雑性、使い回し禁止)や、2段階認証(2FA)の導入。
セッション管理(タイムアウト、強制ログアウト、トークン再発行)によるなりすまし防止。
エラーメッセージに機密情報を含めない(例:ユーザー存在の可否など)。
アクセス制御の厳格化
管理者・一般ユーザーなど、ロールごとのアクセス範囲の制限。
APIや管理画面へのアクセス制限も重要。
【3】運用・監視レイヤーの対策
ログの記録と監視
ログに残すべき内容(アクセス元IP、操作内容、失敗したログイン試行など)を明確に。
SIEMなどを活用して異常を早期検知する仕組みが有効。
脆弱性管理とスキャンの実施
定期的な自動スキャンを実施を推奨。
必要に応じてプロフェッショナルによる脆弱性診断・ペネトレーションテストを依頼。
開発環境・CI/CDの保護
本番環境と開発環境を明確に分離。
署名付きデプロイや、改ざん防止の仕組みを導入し、不正コードの混入を防止。
ユーザー教育・注意喚起
安全なパスワードの使い方、フィッシング詐欺の見分け方などを利用者に啓発。
サービス提供者側も、開発者・運用者へのセキュリティ教育を継続的に実施。
セキュリティは「人」が最大の弱点とも言われます。
パスワードの安全な使い方や更新方法
フィッシング詐欺の見分け方USBや外部デバイスの取り扱い方セキュリティ研修の定期実施(特に開発者・運用担当者)
上記の対策は、どれも基本的かつ効果の高いものばかりです。
すべてを一度に導入するのは難しくても、自社のリスクに応じて優先順位をつけて段階的に取り組むことが重要です。
どの診断を選ぶべき?セキュリティ診断の種類と選び方
「セキュリティ診断」と一口に言っても、その種類や深度はさまざまです。 予算・技術レベル・リスクの大きさに応じて、最適な診断方法を選ぶことが重要です。ここでは代表的な診断方法と、それぞれの特徴、選び方のポイントを解説します。
脆弱性スキャンとペネトレーションテストの違い (ペネトレーションテストについてはこちらで解説)
脆弱性スキャン:まずは自動チェックで弱点を把握
どんな診断?
自動ツールを用いて、システムやWebアプリに存在する既知の脆弱性をスキャンする手法です。コストが比較的低く、短時間で広範囲をカバーできるため、セキュリティ対策の第一歩として導入しやすいです。
特徴
自動化されており、短時間で完了
既知の脆弱性に特化(CVEなど)
深度は浅め(実際に攻撃はしない)
誤検知・過検知もあるため精査が必要
推奨企業
セキュリティ診断を初めて導入する
Webサイトの公開範囲が限定的
定期的にチェックし続けたい
ペネトレーションテスト(侵入テスト):本物の攻撃者の視点で検証
どんな診断?
専門のセキュリティエンジニアが実際の攻撃者になりきり、システムに侵入可能かをテストする手法です。 “実際に突破できるかどうか”を検証するため、非常に実践的で、脆弱性スキャンでは見つからない問題も可視化できます。
特徴
攻撃者の視点で本格的にテスト
経路や影響度まで詳細に可視化できる
時間とコストがかかる
実施には高度なスキルが必要
こんな企業におすすめ
クレジットカード・個人情報などの機密情報を扱っている
セキュリティ要件が厳しい業界(金融、医療など)
すでに対策済みのサイトの“抜け道”をチェックしたい
診断選定のチェックポイント
チェック項目 | 脆弱性スキャン | ペネトレーションテスト |
自動で診断できる | ◎ | △(一部手動) |
コストを抑えたい | ◎ | △ |
実際に攻撃されたらどうなるか知りたい | △ | ◎ |
報告書の精度(再現性・リスク評価など) | ○ | ◎ |
法令・認証(ISMS、PCI DSSなど)への対応 | △ | ◎ |
あくまで目安であり、企業規模や重要度に応じて必要性は変わる。インフラや公共系のサイトは狙われやすい。診断方法の種類は以下のうような種類があります。
スキャンニング: 静的ページ中心のWebサイトで、表面的な脆弱性を検出します。個人情報は紐付きません。
手動検査: 画面遷移を含むWebサイト全体(機能の多いアプリ、一般公開サイト)の脆弱性を検出します。
ペネトレーションテスト: 個人情報や金融情報を含む、外部サイトと連携する公開サイトで、攻撃者視点でのシステム侵入を行います。
必要性はサイトによって変わります。
導入前に確認すべきチェックポイント
診断範囲はどこまで?
公開サイトのみ/管理画面/API含むかなど
診断後のレポートはどのくらい詳細?
再現手順・リスクレベル・対処法の記載有無など
診断後のサポートがあるか?
対策提案や再テスト対応など
ベンダーの信頼性と実績は?
セキュリティ資格・取引実績など
脆弱性スキャンとペネトレーションテストは、それぞれに強みがあります。 どちらか一方ではなく、「段階的に両方を組み合わせる」ことで、セキュリティレベルを着実に高めていくのが理想です。
セキュリティ診断はいくらかかる?費用感について
セキュリティ診断の費用は、診断の深さ・範囲・手法・提供事業者によって大きく異なります。 ここでは、一般的な価格帯とその内訳をざっくり把握できるようにご紹介します。
脆弱性スキャンの費用感
項目 | 費用目安 |
単発の自動スキャン | 5万円〜15万円前後 |
月額の定期スキャン(SaaS型) | 1万円〜5万円程度 |
高機能なSaaS+サポート付き | 月額5万円〜10万円前後 |
低コスト・スピーディな導入が可能なため、初めてセキュリティ対策を行う企業に向いています。 ただし、報告内容の解釈や対策は自己責任になることも多く、技術的なフォローは限定的です。
ペネトレーションテストの費用感
項目 | 費用目安 |
小規模サイト(LPや企業サイト) | 15万〜30万円程度 |
中規模Webアプリ(フォーム、会員機能あり) | 30万〜80万円程度 |
大規模システム・ECサイト | 100万〜300万円以上 |
診断対象の範囲(管理画面・API・ログイン後の挙動など)や攻撃シナリオの複雑さによって大きく変動します。 また、レポートの精度や再診断(再テスト)対応の有無でも価格に差が出ます。
その他のコスト要素(一例)
報告書作成費用
診断後の改善提案・サポート費用
緊急対応・短納期対応のオプション費用
対象が複数ドメイン・サブシステムの場合の追加費用
コストのかけどころは「自社のリスク」と「守りたい資産」
費用だけで判断するのではなく、
どこまで攻撃されると本当にまずいのか?
情報漏洩が起きたときの金銭的・信用的損失は?
といった視点から、「診断費用を抑えることで発生する損害リスク」と天秤にかけて判断すると良いでしょう。
セキュリティ対策は“コスト”ではなく“投資”と捉えるべきです。
インシデントが発生した後の損失額に比べれば、診断コストはむしろ安い保険といえるでしょう。
セキュリティ診断の費用はいくらかかる?
セキュリティ診断の費用は、診断の深さ・範囲・手法・提供事業者によって大きく異なります。 ここでは、一般的な価格帯とその内訳をざっくり把握できるようにご紹介します。
脆弱性スキャンの費用感
項目 | 費用目安 |
単発の自動スキャン | 5万円〜15万円前後 |
月額の定期スキャン(SaaS型) | 1万円〜5万円程度 |
高機能なSaaS+サポート付き | 月額5万円〜10万円前後 |
低コスト・スピーディな導入が可能なため、初めてセキュリティ対策を行う企業に向いています。 ただし、報告内容の解釈や対策は自己責任になることも多く、技術的なフォローは限定的です。
ペネトレーションテストの費用感
項目 | 費用目安 |
小規模サイト(LPや企業サイト) | 15万〜30万円程度 |
中規模Webアプリ(フォーム、会員機能あり) | 30万〜80万円程度 |
大規模システム・ECサイト | 100万〜300万円以上 |
診断対象の範囲(管理画面・API・ログイン後の挙動など)や攻撃シナリオの複雑さによって大きく変動します。
また、レポートの精度や再診断(再テスト)対応の有無でも価格に差が出ます。
その他コスト要素(見落としがちなポイント、一例)
報告書作成費用
診断後の改善提案・サポート費用
緊急対応・短納期対応のオプション費用
対象が複数ドメイン・サブシステムの場合の追加費用
コストのかけどころは「自社のリスク」と「守りたい資産」
費用だけで判断するのではなく、
どこまで攻撃されると良くないのか?
情報漏洩が起きたときの金銭的・信用的損失は?
といった視点から、「診断費用を抑えることで発生する損害リスク」と天秤にかけて判断するのが重要です。
セキュリティ対策は“コスト”ではなく“投資”と捉えるべきです。
インシデントが発生した後の損失額に比べれば、診断コストはむしろ安い保険といえるでしょう。
まとめ まずは「現状把握」から始めましょう
サイバー攻撃の手口が多様化するなかで、セキュリティ対策は“やるか・やらないか”ではなく、“どこまでやるか”が問われる時代になっています。
まずは、自社のWebサイトやシステムがどのようなリスクにさらされているのか、現状を正しく把握することが最も重要な第一歩です。
【基本チェック項目】すぐにでもできる対策リスト
今すぐ実施できる、セキュリティのセルフチェック項目を簡単にまとめました。 一つでも該当する項目があれば、対策の見直しを検討することをおすすめします。
サイト全体がHTTPS化されている(常時SSL)か? |
CookieにSecure属性が設定されているか? |
Webフォームに入力値のバリデーションがあるか? |
パスワードの複雑性ルールが導入されているか? |
管理画面へのIP制限や認証がかかっているか? |
定期的なセキュリティスキャンを実施しているか? |
攻撃ログやアクセス履歴の監視がされているか? |
社内でセキュリティ教育を行っているか? |
セキュリティ診断会社への相談のすすめ
多くの企業が「対策しないといけないのは分かっているけど、何から始めればいいか分からない」という課題を抱えています。 そうした場合は、専門のセキュリティ診断会社に一度相談してみるのが最も効率的なアプローチです。
相談することで得られるメリット
自社に合った診断メニューの提案
費用感やスケジュールの見積もり
実施後の対策支援やレポート解説
最新の攻撃トレンドや対策ノウハウの共有
初回のヒアリングや簡易診断を無料で提供している企業も多く、まずは相談だけでも十分価値があります。
まずは「今、何がリスクなのか?」を知ることがすべてのスタート
完璧なセキュリティ対策は存在しませんが、 「自分たちがどこまで対策できているか」「どこに穴があるか」を把握することができれば、 リスクを最小限に抑えることができます。
大切なのは、“何か起こってから”ではなく、“何も起きないうちに”動くこと。 まずは、信頼できるパートナーに相談し、現状把握と最適な対策の第一歩を踏み出しましょう。
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