【Black Hat Asia 2025】FireTail ― 進化するAI脅威からAPIを守る
- Kyohei Komatsu
- 4月11日
- 読了時間: 2分
更新日:4月15日
こんにちは、サイバーマトリックスのFaridです。前回、前々回に引き続き、「Black Hat Asia 2025」のセッションレポートを書かせていただきます。

FireTail: Protecting APIs from Emerging AI Threats
(進化するAI脅威からAPIを守る)
AI時代において、APIセキュリティはもはや「後回し」にできる課題ではありません。本セッションでは、最新のAPIセキュリティに特化したオープンソースの実行時保護フレームワーク「FireTail Code Libraries」に焦点が当てられました。
まず共有された現状は、非常に警鐘的なものでした:
生成AIを活用する企業の97%が、データ漏洩またはそのリスクに直面
2020年以降、APIの脆弱性を経由して16億件以上のレコードが漏洩
主な脅威は、ペイロードの改ざん、過度なデータ公開、オブジェクトレベル認可の欠如など
FireTailは、OpenAPI仕様に基づいた一元的な保護を提供する設計になっており、以下のような機能を備えています:
不正なリクエストの検証およびフィルタリング(無効なルート、未認可アクション等)
セキュリティロジックをビジネスロジックから切り離し、DRY(Don't Repeat Yourself)原則を実現
リクエスト/レスポンス単位での認可処理により、データ漏洩を未然に防止
講演では、FireTailがOWASP API Top 10の脅威にどのように対応しているかが具体的に紹介され、Python・Go・Javaといった複数言語のアプリケーションにシームレスに統合可能である点も強調されていました。
AI搭載のボットがAPIを攻撃の主戦場とするいま、このような保護フレームワークの重要性は計り知れません。
サイバーマトリックスでは、モバイルアプリから社内サービスに至るまで、APIがシステム全体の中核を担っています。そのため、FireTailのように「ゼロトラスト」を実現し、かつ開発者にとっても導入しやすいツールは、本番環境における防御体制の構築に不可欠だと感じています。
FireTailのアーキテクチャ設計の巧妙さと統合の容易さは、非常に印象的でした。ご興味のある方は GitHub上のFireTail Python Library をぜひご覧いただき、役立つと感じたら⭐️で応援してみてください。