
ウェブアプリリリース前に必読!
IPA「安全なウェブサイトの作り方」と最新脆弱性対策
安全なウェブサイト構築のために見逃してはいけないポイントとは?
現代のインターネット環境では、サイバー攻撃の手口がますます巧妙化しています。ウェブサイトを運営する企業にとって、脆弱性対策の強化はもはや避けられない課題です。そこでウェブ開発者の方々には、独立行政法人情報処理推進機構、通称”IPA”が発行した「安全なウェブサイトのつくり方」を参照することを強くおススメします。セキュリティの脅威とその対策が、実際の開発現場にマッチするよう具体的な形で紹介されています。本記事では、「安全なウェブサイトの作り方」を読解し、セキュリティ担保のための活用法を紹介し、最新のセキュリティトレンドを踏まえつつ、現在の脆弱性リスクに適した対策方法を解説。さらに、企業のセキュリティ対策を強化するための導入事例と具体的なソリューションも紹介いたします。ウェブアプリのリリースを控えている皆様、サイバー攻撃の脅威から企業のデータと信頼を守るために、今すぐ確認しましょう。
安全なウェブサイトの作り方 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity/about.html
対象読者と活用シーン
この資料は、以下のような方々に特に有用です。
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ウェブサイト、ウェブアプリケーションの開発者
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ウェブサーバやインフラの運用管理者
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セキュリティ対策をこれから学びたい初学者
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自社サイトの安全性を見直したい中小企業の担当者
特に、セキュリティを初めて意識するウェブアプリケーション開発者にとって、基本的な脆弱性とその対策を理解するための入門書として最適です。
資料の構成と内容
「安全なウェブサイトの作り方」は、以下の3章構成で、実践的なセキュリティ対策を解説しています。
第1章:ウェブアプリケーションのセキュリティ実装
SQLインジェクションやクロスサイト・スクリプティング(XSS)など、11種類の代表的な脆弱性を取り上げ、それぞれの脅威や対策方法を詳述しています。
第2章:ウェブサイトの安全性向上のための取り組み
ウェブサーバのセキュリティ対策やフィッシング詐欺を助長しないための対策など、運用面からウェブサイト全体の安全性を向上させるための方策を示しています。
第3章:失敗例
第1章で取り上げた脆弱性の中から8種類を取り上げ、脆弱性を作り込んでしまった際のソースコード、その解説、修正例を示しています。
また、巻末にはセキュリティ実装のチェックリストが付属しており、実装状況の確認に役立ちます。
別冊資料の紹介
本編に加え、以下の別冊資料が提供されています。
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「安全なSQLの呼び出し方」
SQLインジェクションの原因や対策を、JavaやPHPなど5つの言語別に解説しています。 -
「ウェブ健康診断仕様」
13の診断項目について、検出パターンと脆弱性有無の判定基準を記載しています。
「安全なウェブサイトの作り方」は、ウェブセキュリティの基本から応用までを体系的に学べる資料であり、開発者や運用担当者にとって必読の内容です。特に、セキュリティを初めて意識する方にとって、実践的な知識を得るための出発点として最適です。
それでは、資料の中からピックアップした内容をもとに解説していきます。
SQLインジェクションとは?
SQLインジェクション(SQLi)は、ウェブアプリケーションがデータベースとやり取りを行う際に、不正なSQLコードを注入し、システムを不正操作する攻撃手法です。通常、ユーザーが入力する値がそのままSQLクエリに組み込まれることで、攻撃者はデータベースの内部情報を取得したり、データを改ざんしたり、管理者権限を奪取したりすることができます。
IPAの「安全なウェブサイトのつくり方」では、この脆弱性がウェブアプリケーションにおける基本的な脅威として解説されています。現在の攻撃手法はさらに巧妙化し、APIやクラウド環境にまで影響を及ぼしています。
ここでは、SQLインジェクションの基本的な攻撃手法と、その具体的な防止策を解説します。

2025年時点で特に増えている攻撃手法
ウェブサイトやアプリに対する攻撃は、今や手動ではなく、自動化されたツールを使って無差別に世界中のサイトを走査し、セキュリティホールのある箇所を検出次第、即座に侵入を試みます。つまり、"狙われる"のではなく、"見つかったら終わり"というフェーズに突入しています。
SQLインジェクションは古くから知られる脆弱性であるにもかかわらず、現在もウェブアプリケーションに対して深刻なセキュリティリスクとして存在し続けています。必須の対策項目と言えるでしょう。特に、PHPなどの動的な言語を用いた開発環境においては、開発時に使用されたテスト用機能の残存や、設定の不備を突かれるケースが後を絶ちません。
さらに近年では、REST API経由でのSQLや、ログ・トレース出力を通じたインダイレクトな注入など、非従来的で見えづらい攻撃も増えており、油断のできない状況が続いています。
設定ミスや更新の遅れといった初歩的なミスから、管理権限の乗っ取りや情報漏洩といった重大なセキュリティインシデントが発生しています。データという資産を守る観点からも、こうしたリスクを軽視せず、組織的な対応が求められます。
SQLインジェクションの有効な攻撃防止策は?
では、実際にどのような防止策が良いのでしょうか。一例をご紹介します。
例1:プリペアドステートメント(Prepared Statement)の活用
解説:SQLインジェクションの基本的な対策として、クエリとパラメータを明確に分離する「プリペアドステートメント」は引き続き有効です。特に、サプライチェーン経由で取り込んだOSSや外部APIがSQL文を動的に組み立てるケースにおいては、予期せぬパラメータ挿入のリスクが高まるため、アプリケーション全体での一貫した実装ルールが不可欠です。
2025年時点で特に増えている攻撃手法
ウェブサイトやアプリに対する攻撃は、今や手動ではなく、自動化されたツールを使って無差別に世界中のサイトを走査し、セキュリティホールのある箇所を検出次第、即座に侵入を試みます。つまり、"狙われる"のではなく、"見つかったら終わり"というフェーズに突入しています。
SQLインジェクションは古くから知られる脆弱性であるにもかかわらず、現在もウェブアプリケーションに対して深刻なセキュリティリスクとして存在し続けています。必須の対策項目と言えるでしょう。特に、PHPなどの動的な言語を用いた開発環境においては、開発時に使用されたテスト用機能の残存や、設定の不備を突かれるケースが後を絶ちません。
さらに近年では、REST API経由でのSQLや、ログ・トレース出力を通じたインダイレクトな注入など、非従来的で見えづらい攻撃も増えており、油断のできない状況が続いています。
設定ミスや更新の遅れといった初歩的なミスから、管理権限の乗っ取りや情報漏洩といった重大なセキュリティインシデントが発生しています。データという資産を守る観点からも、こうしたリスクを軽視せず、組織的な対応が求められます。
SQLインジェクションの有効な攻撃防止策は?
では、実際にどのような防止策が良いのでしょうか。一例をご紹介します。
例1:プリペアドステートメント(Prepared Statement)の活用
解説:SQLインジェクションの基本的な対策として、クエリとパラメータを明確に分離する「プリペアドステートメント」は引き続き有効です。特に、サプライチェーン経由で取り込んだOSSや外部APIがSQL文を動的に組み立てるケースにおいては、予期せぬパラメータ挿入のリスクが高まるため、アプリケーション全体での一貫した実装ルールが不可欠です。
2025年時点で特に増えている攻撃手法
ウェブサイトやアプリに対する攻撃は、今や手動ではなく、自動化されたツールを使って無差別に世界中のサイトを走査し、セキュリティホールのある箇所を検出次第、即座に侵入を試みます。つまり、"狙われる"のではなく、"見つかったら終わり"というフェーズに突入しています。
SQLインジェクションは古くから知られる脆弱性であるにもかかわらず、現在もウェブアプリケーションに対して深刻なセキュリティリスクとして存在し続けています。必須の対策項目と言えるでしょう。特に、PHPなどの動的な言語を用いた開発環境においては、開発時に使用されたテスト用機能の残存や、設定の不備を突かれるケースが後を絶ちません。
さらに近年では、REST API経由でのSQLや、ログ・トレース出力を通じたインダイレクトな注入など、非従来的で見えづらい攻撃も増えており、油断のできない状況が続いています。
設定ミスや更新の遅れといった初歩的なミスから、管理権限の乗っ取りや情報漏洩といった重大なセキュリティインシデントが発生しています。データという資産を守る観点からも、こうしたリスクを軽視せず、組織的な対応が求められます。
SQLインジェクションの有効な攻撃防止策は?
では、実際にどのような防止策が良いのでしょうか。一例をご紹介します。
例1:プリペアドステートメント(Prepared Statement)の活用
解説:SQLインジェクションの基本的な対策として、クエリとパラメータを明確に分離する「プリペアドステートメント」は引き続き有効です。特に、サプライチェーン経由で取り込んだOSSや外部APIがSQL文を動的に組み立てるケースにおいては、予期せぬパラメータ挿入のリスクが高まるため、アプリケーション全体での一貫した実装ルールが不可欠です。
// PHPの例(PDO)
$stmt = $pdo->prepare("SELECT * FROM users WHERE username = :username");
$stmt->bindParam(':username', $input);
$stmt->execute();
プリペアドステートメントは、SQL文とパラメータを分けて実行することで、攻撃者が挿入したSQLコードが無効化され、データベースへの不正操作を防ぎます。
例2:入力値のバリデーションと異常監視処理の組み合わせ
解説:フォームやAPIなどのユーザー入力に対しては、期待される形式を明確に定義した上で入力値をバリデーションし、さらにログに対する異常検出ロジックを実装することで多層的に保護できます。特にAI生成メールから誘導される精巧な攻撃リンクでは、正規ユーザーを装った攻撃リクエストが急増しています。
// 簡易なバリデーション例(JavaScript)
function isValidUsername(input) {
return /^[a-zA-Z0-9_]{3,20}$/.test(input); // 英数字と_のみ、3〜20文字
}
また、ログ側では以下のようなシグネチャに注目した異常検知を組み合わせると効果的です。
-
' OR 1=1 --
-
UNION SELECT
-
xp_cmdshell(SQL Server系)
AIや自動化ツールを活用して、定期的にログ解析・通知を行う仕組みを導入することで、単なるバリデーションだけでは拾えない“振る舞いベースの攻撃”にも対応できます。
セキュリティ対策、あなたは本当に万全ですか?
これまで紹介してきた通り、IPAの「安全なウェブサイトの作り方」には、ウェブ開発者が意識すべき脆弱性とその対策が網羅されています。しかし、実際の開発現場では「見落とし」が発生しがちです。たとえば、次のようなケースにあなたは対応できますか?
-
セッション固定攻撃を防ぐため、ログイン時にセッションIDを再発行していますか?
-
CSPは外部スクリプトの読み込み制御まで設計できていますか?
-
APIやクラウド構成も含めて、リリース前に一貫して診断していますか?
セキュリティは“やったつもり”では守れません。攻撃手法は日進月歩で進化しており、開発者自身がすべての対策を網羅するのは困難です。
そこで、ウェブアプリのリリース前に専門家によるセキュリティ診断の実施をお勧めします。サイバーマトリックスでは、脆弱性診断サービス「Matrix Inspect」を提供しています。
クロスサイト・スクリプティング(XSS)とは?
クロスサイト・スクリプティング(XSS)は、ウェブサイト内の入力欄やURLパラメータに悪意あるスクリプトを挿入し、ユーザーのブラウザ上でそのスクリプトを実行させる攻撃手法です。 攻撃者はJavaScriptなどのスクリプトを通じて、ユーザーのCookie情報を盗んだり、画面上のコンテンツを改ざんしたりすることが可能です。 IPAの「安全なウェブサイトのつくり方」では、XSSの脅威をウェブアプリケーションに おける深刻なセキュリティリスクとして位置付けていますが、現在の攻撃手法はより巧妙化し、動的なJavaScriptやフレームワークを利用した高度なXSS攻撃が増えています。 ここでは、XSSの基本的な攻撃手法と防止策を解説します。

2025年時点で特に増えている攻撃手法トップ3
サイバー攻撃の手口は年々高度化しており、XSSも例外ではありません。2025年現在、特に増加傾向にあるXSS攻撃手法を3つご紹介します。
1. DOMベースのXSS攻撃:JavaScriptの脆弱性を突く
DOMベースのXSSは、ウェブページのDOM(Document Object Model)を通じて発生する攻撃です。 サーバーサイドではなく、クライアントサイドのJavaScriptが脆弱であることを狙った攻撃手法です。 例えば、以下のようなコードがあるとします。
// javascriptの例
let userInput = location.hash;document.getElementById('output').innerHTML = userInput;
このコードは、URLのハッシュ部分をそのままDOMに挿入しているため、攻撃者が以下のようなURLを生成すると
// php-template
https://example.com/#<script>alert('XSS');</script>
結果として、<script> タグ内のスクリプトが実行されてしまいます。
2. ストアドXSS攻撃:データベース内にスクリプトを埋め込む
ストアドXSSは、ユーザーが入力した悪意あるスクリプトがデータベースに保存され、他のユーザーがそのスクリプトを閲覧・実行してしまう攻撃です。 例えば、掲示板のコメント欄に以下のようなスクリプトを投稿された場合:
// php-template
<script>alert('You have been hacked!');</script>
そのスクリプトがそのままデータベースに保存され、次回アクセス時に他のユーザーのブラウザ上で実行されます。
3. リフレクティッドXSS攻撃:入力値を即座に反映させる
リフレクティッドXSSは、攻撃者が作成した不正なリンクをクリックした際に、そのリンク内のスクリプトがサーバー経由で応答ページに反映される攻撃です。 例えば、攻撃者が以下のようなURLを送信するとします。
php-template
https://example.com/search?q=<script>alert('Hacked');</script>
サーバーが q パラメータをそのままHTML内に出力している場合、スクリプトがそのまま実行されてしまいます。
XSSの有効な攻撃防止策は?
では、具体的にどのような防止策が有効でしょうか。以下に2つの例を紹介します。
例1:Content Security Policy(CSP)の活用
CSPは、ウェブページ内で許可されるスクリプトやリソースを制限するヘッダ設定です。 例えば、以下のようなCSPヘッダを設定することで、外部からのスクリプト読み込みを防止できます。
// pgsql
Content-Security-Policy: default-src 'self'; script-src 'self';
これにより、攻撃者が第三者サイトからスクリプトを挿入しても、そのスクリプトは実行されません。
例2:出力時のエスケープ処理
ユーザーが入力したデータをそのままHTMLに反映させるのではなく、エスケープ処理を行うことで、スクリプトが解釈されるのを防ぎます。
// javascript
function escapeHTML(str) {
return str.replace(/&/g, "&")
.replace(/</g, "<")
.replace(/>/g, ">")
.replace(/"/g, """)
.replace(/'/g, "'");
}
Matrix Inspectの専門家による診断
クロスサイト・スクリプティング(XSS)は、ウェブ開発者にとってよく知られた脆弱性のひとつですが、実際には「ちゃんと対策したつもり」でも見落としが起きやすいポイントです。 HTMLに値を埋め込む場所、JavaScriptで動的に表示する場面、エスケープが必要な箇所と不要な箇所──実装が複雑になればなるほど、判断が難しくなってきます。
「安全なウェブサイトの作り方」にも対策は詳しく書かれていますが、チェックリストを全部自力で埋めるのは、専門的な知識も必要で工数もかかります。 本当にこれで良いか、 抜け漏れないか という不安を抱えたままリリースするのは避けたいところです。そこでおすすめなのが、Matrix Inspectの診断。IPAにも登録されている信頼性の高いサービスで、XSSを含むウェブアプリケーションの入力・出力の流れをセキュリティ資格保持者や5年以上のペネトレーション経験を有したメンバーでチームを構成し、専門家が丁寧に確認してくれます。
「自分でやれることはやったけど、プロの目でもう一度チェックしてほしい」
そんな時にこそ、Matrix Inspectの診断が力を発揮します。

バッファオーバーフローとは?
バッファオーバーフロー(Buffer Overflow)は、プログラムが確保したメモリ領域(バッファ)を超えてデータを書き込んでしまうことで、不正なコードの実行やシステムの乗っ取りが発生する攻撃手法です。 通常、バッファはデータを格納するための固定サイズの領域ですが、攻撃者はこのサイズを超えるデータを送り込み、プログラムの制御フローを乗っ取ります。 IPAの「安全なウェブサイトのつくり方」では、この脆弱性がC/C++などの低レベル言語で特に顕著とされていますが、API連携やクラウド環境でも類似の攻撃が報告されています。 ここでは、バッファオーバーフローの基本的な攻撃手法と、その具体的な防止策を解説します。
2025年時点で特に増えている攻撃手法トップ3
サイバー攻撃の手口は進化しており、バッファオーバーフローも例外ではありません。2025年現在、特に増加傾向にあるバッファオーバーフロー攻撃手法を3つご紹介します。
1. スタックオーバーフロー攻撃:リターンアドレスの改ざん
スタックオーバーフローは、関数の戻り先アドレスを上書きして任意のコードを実行させる攻撃手法です。 例えば、以下のような脆弱なC言語コードを考えてみましょう。
// c
void vulnerableFunction(char *input) {
char buffer[64];
strcpy(buffer, input);
}
攻撃者が以下のような長大な入力を送信すると、
// nginx
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
結果として、<script> タグ内のスクリプトが実行されてしまいます。
2. ヒープオーバーフロー攻撃:動的メモリ領域の乗っ取り
ヒープオーバーフローは、動的に確保されたメモリ領域(ヒープ)を超えてデータを書き込む攻撃手法です。 ヒープはスタックとは異なり、メモリの再割り当てや開放が頻繁に行われるため、攻撃者が自由にデータを書き込みやすい領域でもあります。
例えば、以下のようなコードでヒープオーバーフローが発生します。
// c
void vulnerableFunction() {
char buffer = (char )malloc(32);
strcpy(buffer, "AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA");
}
このコードでは、32バイトしか確保されていない領域に40バイトのデータが書き込まれることで、隣接するメモリ領域が上書きされる可能性があります。
3. バッファオーバーフロー型 DoS攻撃:サービスの停止
攻撃者が大量のデータを送りつけることで、バッファをあふれさせてサービスを停止させる攻撃手法です。 特に、APIやウェブサーバーの入力欄が適切にサイズ制限されていない場合、過剰なリクエストがサーバーのリソースを消費し尽くすことがあります。
例えば、以下のようなAPIエンドポイントがあるとします。
// bash
POST /upload
{
"data": "AAAAAAAAAAAAAAA...(1MBのデータ)"
}
想定以上のサイズのデータが送信されることで、サーバーのメモリが枯渇し、サービスが停止してしまいます。
バッファオーバーフローの有効な攻撃防止策は?
では、具体的な防止策を2つご紹介します。
例1:Stack Canaryの活用
Stack Canaryは、スタック領域の末尾に「カナリア値」と呼ばれる特定の値を挿入し、この値が書き換えられた場合に不正なメモリ操作を検知する手法です。 例えば、0xDEADBEEF というカナリア値が設定されている場合、バッファオーバーフローが発生してこの値が書き換えられると、プログラムが強制終了し、不正な操作を阻止できます。
例2:ASLRの有効化
ASLR(Address Space Layout Randomization)は、プログラムのメモリアドレスをランダム化し、攻撃者が正確なアドレスを予測できないようにする対策です。 Linux環境では、以下のコマンドでASLRを有効化できます。
// bash
echo 2 > /proc/sys/kernel/randomize_va_space
これにより、スタックやヒープの配置が毎回異なるため、バッファオーバーフロー攻撃の成功率を大幅に低減できます。
バッファオーバーフロー対策、"形式的な確認"で終わっていませんか?
バッファオーバーフローは、メモリ操作を誤ることで意図しないコード実行や不正アクセスを引き起こす、古典的かつ極めて危険な脆弱性です。
C/C++による開発部分や外部モジュールとの連携、クラウド上のライブラリ構成など、思わぬ場所にリスクが残っている可能性があります。
Matrix Inspectは、IPAにも登録されている第三者診断サービスとして、こうした見落としがちな脆弱性に対して、客観的かつ網羅的な診断を実施します。
セキュリティ実装チェックリストの活用例
IPAが提供する「セキュリティ実装チェックリスト(.XLS)」は、ウェブアプリケーション開発時の脆弱性対策を体系的にチェックできます。
例えば、リリース直前のテスト段階では、チェックリストの各項目に基づき「対応済」「未対策」を可視化し、優先度を設定してリリース前に対策を完了させることができます。
特に、SQLインジェクションやXSSといった基本的な脆弱性に加え、最新の攻撃手法にも対応しているため、網羅的なセキュリティ確認が可能です。リリース前に「想定外の脆弱性」が発見される前に、このチェックリストでしっかり確認をしておきましょう。
さらに、おススメはセキュリティの専門家にチェックをしてもらうことです。開発者自身の手動チェックだけでは見落としがちなポイントも専門家の診断でカバーできます。安心してユーザーが使えるウェブサイトにするために、一度セキュリティの専門家に相談してみるのはいかがでしょうか。
2025年で押さえておきたい3大攻撃手法
ウェブアプリケーションを狙う脅威は、これまで紹介した3つのベーシックな攻撃にとどまらず、サイバー攻撃の手口は年々高度化し、攻撃が進化を遂げております。
2025年現在、特に増加傾向にある攻撃手法を3つご紹介します。
1. サプライチェーン攻撃:第三者経由での侵入
サプライチェーン攻撃は、自社のセキュリティ対策が万全であっても、取引先や外部サービスプロバイダの脆弱性を突いて侵入される攻撃手法です。 攻撃者は、外部のソフトウェア更新プログラムやAPI経由でマルウェアを仕込み、それを通じて標的のネットワークに侵入します。
例えば、2024年には大手SaaSプロバイダの更新サーバーが乗っ取られ、そこから複数企業のシステムにバックドアが仕込まれるというインシデントが発生しました。 攻撃者はソフトウェアアップデートに見せかけて悪意あるコードを送信し、その後、企業内のデータベースにアクセスして機密情報を流出させたのです。
2. AI生成型フィッシング攻撃:人間の判断力を超える精度
従来のフィッシング攻撃は、誤字脱字や粗末なデザインによって見破りやすいものでした。しかし、2025年現在ではAIを駆使したフィッシングメールが増加しています。 攻撃者は、AI生成ツールを用いてターゲット企業のメール文面やブランドデザインを完璧に模倣し、被害者に誤認させる手口を用いています。
例えば、AIを使ったフィッシングメールには、ターゲット企業の過去のメール内容を解析して作成された「本物そっくりの請求書」が添付されています。 受け取ったユーザーは、普段やり取りしている担当者のメールアドレスに酷似したアドレスからの送信であることに気づかず、誤ってマルウェアをダウンロードしてしまうケースが急増しています。
3. コンテナ環境への攻撃:設定ミスが命取りに
クラウド環境でのアプリケーション開発が加速する中、コンテナ技術(Docker、Kubernetes)の脆弱性を狙った攻撃が急増しています。 特に注目されるのが、「設定ミス」による情報漏洩や乗っ取りです。
例えば、2025年に発生した某企業の事例では、KubernetesのAPIエンドポイントがインターネットに公開されており、誰でも管理コンソールにアクセスできる状態になっていました。
攻撃者はこの脆弱性を利用して管理者権限を奪取し、企業のクラウドストレージに保存されていた顧客データを一斉にダウンロードしました。
ベーシックな攻撃以外にも日進月歩で脅威が増え続けている昨今、高度化する攻撃に備えるには、技術的な備えと「見落としのない第三者診断」が不可欠です。Matrix Inspectなら、クラウド・API・ソースコードまで網羅したプロフェッショナルな診断で、最新のリスクにも漏れなく対応。IPA登録済の信頼性ある診断サービスで、セキュリティの抜け漏れをゼロにしませんか?
Matrix Inspectが選ばれる理由
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セキュリティエンジニアによる実地診断 自動スキャンだけでなく、経験豊富なエンジニアがコードや挙動を分析し、最適な対策を明確にアドバイスします。
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開発者目線 × 攻撃者視点のハイブリッド診断 自社製品『CyberNEO』の開発実績を活かし、開発者視点でのセキュリティ対策のご提案が可能です。特にAWS等のクラウド環境に強みを持っております。
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IPA登録・高水準な基準準拠 経済産業省主導の「情報セキュリティサービス基準」に登録済。OWASP Top 10などの国際基準を満たす診断品質が認められています。
よくある質問(FAQ)
Q:ツール診断と手動診断の違いは?
A:ツールは機械的に広く検出しますが、すべてが実害のある脆弱性とは限りません。手動診断では、画面遷移や認証状態、送受信パラメータなどアプリの構造を理解した上で本質的な脆弱性を特定します。
Q:ペネトレーションテストとは?
A:実際に侵入できるかどうかを検証する「攻撃実証型テスト」です。Matrix Inspectでは、診断+実証を組み合わせた柔軟な対応が可能です。
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